日本ソーシャルフットボール協会 神奈川地域推進委員 篠崎安志
FC PORT (横浜) 鈴木淳子
精神障害者サッカー(フットサル)は取り組みが始まったばかりです。
特別なルールはほとんどなく、サッカーやフットサルが各地で楽しまれています。
自分の好きなスポーツを通じ、生活の回復などのリハビリテーションにも効果が見られています。
スポーツは、=失調症や気分障害などの心の病からの回復にも効果があると言われ、デイケアや福祉施設等でも卓球・ソフトボールなどのスポーツが取り入れられてきました。
その中で、サッカーをしたいと言う希望も増え、近年、取り組みが始まりました。
当事者の意向を反映して、2008年に大阪で始まった大会は全国に広がりを見せ、現在では日本各地で様々な大会が、Jリーグチームの支援を受けるなど様々な形で行われるようになりました。
チーム数も100チームを超えるなど活動が広がっています。
最近では病院やデイケアだけではなく、地域で自主的に活動するチームも増えています。
2014年からは全国大会が、2016年には世界大会が開催されるようになりました。
全国を9地域に分け、予選と全国大会が行われています。
基本的には、国際サッカー連盟の物に準拠していますが、下記の通り、精神障害者の特別ルールを設け、大会を実施しています。
参加資格 | 精神疾患のため医療機関で継続的に治療を受けているもの |
チーム編成 | 5人制を原則とします。ただし女子選手を含む場合、最大6人がコートに立てます。チーム全体の登録人数は15人とします。 |
その他 | 累積ファウル、第二PKは適用しません。 |
基本的には上記のルールに合わせつつ、各地の状況に応じてローカルルールがあり、状況に応じた変更があります。(他障害を含めた大会が行われることもあります)
精神疾患(障害)のある方は、意欲低下や対人関係に対する不安などがあったり、服薬による身体機能・認知機能の低下などが見られます。
しかしADLは自立している方が多いため、他の障害に比べるとサッカーをすることに対するバリアは少ないです。
このため、健常者と同じ条件のもとで練習などを行うことも可能です。
ただし疲れやすいこと、精神的な疲労が累積すると病気や障害に影響があること、対人関係の調整が必要であること、など配慮が必要なこともあります。
精神障害の有無や障害の種別にかかわらず、サッカーを通じて交流することにより、精神疾患や障害に対する相互理解を広めることができます。
また、サッカーを通じて仲間を作り、生きる力を高め、挑戦する意欲を持ち続けられるような経験を自然に積んでいくことができることにも効果が見られます。
何より、自分の好きなことを続けることで、自然に集団に適応し、生活習慣を改善していくことが可能であり、社会活動を行っていくためのリハビリ機能も期待できます。
病院や施設だけでなかなか外と接する機会がなかったのですが、フットサルに行くことで外との接点が増えました。
練習や試合に参加することで時間を守るなど、生活習慣の改善にもつながりました。
また、選手同士のコミニケーションが増えることで、お互いの体調や病状分かり合えるようになり、仲間意識を持つことができるようになりました。
フットサルと言う競技を一緒にやることで、仲間といることが楽しく、日々の生活が少しずつ充実していきました。
さらに、先に就職し、働き始めている仲間を見ることで、自分の将来や職業生活を考えるようになりました。
最近は、当事者が運営するチームも増えているため、自ら練習やチーム運営ができるようになり、知らない間に責任感を持つようにもなりました。
以上のことから、私にとってフットサルは社会生活の広がりへの一歩につながっていると思います。
サッカーは好きでしたが、プレイした経験もなく、一般のチームには入りづらかったのですが、障害のことをわかってくれるチームがあってよかったです。
お問い合わせ先
日本ソーシャルフットボール協会
活動内容とともに皆さんの身近なチームを紹介しています。